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【1도】Pinkを捨てたApink【없어】

I’m so sick of lying  You gotta know that
—私は嘘をつくのに疲れてしまった。あなたはそれを知るべきよ。—

7月2日に約1年ぶりのカムバックを果たしたApink。7thミニアルバム「ONE & SIX」のタイトル曲でもある「1도 없어/I’m so sick/1つもない」はそんな衝撃的なナウンの独白から始まります。甘ずっぱい恋心を歌う少女たちは過去に追いやられ、そこには情念的な愛を知る大人の女となった彼女たちの姿がありました。

 


物語

宴が終わり、六つの影が帰路につく。逆光に逆らい、足元の動線を顧みないその姿は過去への回顧だ。女が描く一つの姿、ブラウン管が捉える目線のズレ。理想との軋轢を埋めるように何度も塗り重ねられた男の顔。女は着飾り、祝祭を用意した、それでも電話は鳴ってくれない。キッチンには二人の関係性のように冷め切ってしまったジャンクフード。綴る決意の手記。フィルムに宿るあの日の記憶。ソファにそっと腰掛けて、破滅の罠を張る。女は狂気に舞い踊り、鍵はコップに溶けていく。箱に収められる宝玉。日々は終わり、ペントハウスに向かう。天国に一番近い場所で、捧げられた供物を燃やす。全ては終わり過去になる、宴とともに。

 

解説

この物語には、一人の女が終わった恋を清算する模様が描かれています。


冒頭のシーンではパーティ会場に一人取り残されたナウンが描かれています。


地面に描かれた方向指示とは逆に歩く六人の後ろ姿は記憶(過去)を辿る様子を表しています。


理想を求めて何度も同じ絵(男性の顔)を描くナウン。それ以外の5人のメンバーはナウン自信が体験した出来事や感情を表しています。


チョロンはドレスを選び、誕生ケーキを用意しています。しかし待ち人は現れず電話にも出てくれません。


キッチンではナムジュが食べきれないほどのジャンクフードを持て余し、戯れるようにフライドポテトにケチャップを振りかけます。


バスルームのウンジがフィルムを現像できないのは、未来を作れない二人の行く末を暗示しています。


ポラロイドには南の島で小指を結び、将来を誓い合う二つの手が写っています。果たされない約束は、健気であればあるほどに悲痛な想いにつながります。


音楽室のボミはレコードを流しながら幾度も手記を綴り、殺害の計画を練ります。


ハヨンはソファにビニールを被せ、毒ガスが仕掛けられた部屋でターゲットを待ちます。


ハイヒールを投げつけると「日/일/ill(病的な)」の光が消え、全ては終わります。


宝玉を詰め込んだ箱は閉じられ、六人はエレベーターに乗り、最上階を目指します。


そこには冒頭に出てきたパーティ会場があり、六人は晩餐を始めプレゼントを燃やします。


最後は彩度が失われ、愛は過去の記憶となります。

 

補足1

上記のストーリーと解説には(文体やキャプチャー画像を交えている所為でもありますが)大きく具体性が異なります。なぜそんなに情報量が異なるかというと、本編とは別に六人分のFilm Teaserというものが先行で公開されており、そこには本編のMVには採用されていない具体的なカットが幾つか存在しています。


ナウン


チョロン


ナムジュ


ボミ


ウンジ


ハヨン

Film Teaserには壁に滴る血のような液体や、憎悪を表すかのように刺されるフォーク、「I’m ill(私は病気)」という本の背表紙には前述の「I’m so sick of lying  You gotta know that」の言葉。フィルムを見たことで「愛の日」は終焉を迎え、宝形は箱に閉じられます。これらは情景は恋人と結ばれない想いを清算するために殺害を計画し、そして実行しているということをより明確に示唆しています。

 

補足2

またMVの中には、これまでにApinkが発表してきたMVで印象的に使われていたアイテムが幾つか登場します。


ポラロイド写真は「LUV


サイコロは「FIVE


プレゼントは「Mr.Chu (미스터 츄)

 

考察

本作の楽曲は韓国随一の作曲家でもあるブラック・アイド・ピルスンによって作られました。六人の声で構成される別れの歌は、柔らかいハウスビートに乗り、強いメロディへの劇的な転調と「wooh nanana」というオートチューンされたリフレインによって強烈なグルーヴを生み出しています。中毒性を前面に押し出したサウンドからも、これまでに披露してきた感性的な楽曲とは一線を画しています。MVでも痴情のもつれから殺害を実行し、男の亡骸を遺棄する猟奇性を演じました。既存のイメージである少女性を葬り、過去作との別れを告げた彼女たちはこれからどのような姿で私たちを魅了してくれるのでしょうか。新生Apink。大いに期待です。

 

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