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【pH-1 】MVとTシャツと私【Cupid (Feat.PENOMECO)】

伝説の俳優、故・松田優作は生前、こんなことを語っていました。「映画は監督のものだけど、CMは役者のものだ」。その意図は、別の対談での「コマーシャルっていうのは、自分の所在とかアンテナの張り方を、ニュアンスとして伝えるもの」という発言からうかがい知れるでしょう。

音楽業界における“アーティスト”のメインは当然「音源」です。ライブはそれを直に伝える場であり、様々な音楽番組への出演はプロモーションです。では「MV」とは何でしょうか。それはネット全盛の現代において、最も早く、作り手側の意図を伴って「アーティストの“所在とかアンテナの張り方をニュアンスとして伝え”られるコンテンツ」ではないでしょうか。

さて、話は少し変わりますが、2016年放送の「プロデュース101」内で「アイドルに必要な条件は?」という質問に、多くの練習生はこう答えました。「ヴィジュアル」。
アイドルにとってMVはカッコ良く・可愛く映してなんぼです。逆説的に、彼ら・彼女たちが映っていないMVは、MVとして意味がない、と私は思います。何故ならば、私を含めたアイドルファンは、彼ら・彼女たちを観たいからです。とはいえ、珍しいケースとして、TWICEのCANDY POPは何と大半がアニメという、彼女たちが忙しすぎた事による苦肉の策という以外に溜飲の下げようのない、がっかりにも程があるMVもあります。ONCEである私があれをフルで観たのは初回の1度きりです。だってアニメのTWICEなんてこれっぽっちも観たくないし。言っておきますが曲は大好きです。まぁ、つまり、アイドルにとってのMVは「本人たちメインの出演が必須である」という事です。

一方で、本人たちが出る必要のないアーティスがいます。“アイドル以外”です。近年の韓国におけるヒップホップシーンは、「アイドル的になってきている」という声もあります。それでもMVにおいては、彼ら・彼女たちの「所在とかアンテナの張り方をニュアンスとして伝えられるコンテンツ」として、大いに遊び、チャレンジし、それぞれのアーティスト性を表現できる場であると考えています。

さて、ここでようやく今回紹介するpH-1です。

本名   : パク・ジュウォン(박준원 Park Jun-won / Harry Park)
生年月日 : 1989年7月23日(29歳)
出生地  : 韓国
国籍   : アメリカ
所属   : H1GHR MUSIC RECORDS

MVが作られる過程(誰にプロデュースをしてもらい、どういうディレクションで、どういったコンセプトの元に作るのか)というのはそれぞれ異なりますが、今回のpH-1「Cupid (Feat.PENOMECO)」は、同じくH1GHR MUSIC RECORDS所属のThurxdayがプロデュースをしています。制作はTezo Kyungdon LeeとMagnus Lenneskogという2人のチームからなるTjoff Koong Studios。彼らはPassion Animation studioというアニメ制作会社に所属(ちょっとややこしい)していて、ここはGollirazのMVなどを手がけているところです。

アイドルのMVは「アイドルを映してなんぼ」と書きましたが、これはいわばファッション誌やランウェイを見ているようなもので、洒落た服を華麗に着こなしたモデルを眺め「は〜、いいわぁ」というのと同じです。
一方で、必ずしも本人たちが出る必要のない“アイドル以外”のMVにおいては、アーティストとしての表現方法の自由度が高く、結果、この「Cupid (Feat.PENOMECO)」のような非常にカッチョいいMVを作る事が出来る訳です。

基本フォーマットとしてのアイドルのMVが、ハイスペックな容姿を持つモデルの着たハイブランドの服を見るもの、とするならば、今回のようなMVは、カジュアルでありつつも洒落ていてバリエーションの豊富な、我々に最も身近であるファッション、Tシャツなんじゃないか。そう思う訳です。

 

強引過ぎる着地ですか?そうですね。認めましょう。だって今回のMV、どのカットでもTシャツになったらカッコいいな、欲しいな、という非常にあっさ〜い始まりからだったから。

でも実際カッコいいでしょ?曲も良いし。「オディヨ」っていうところなんか、タイミングがたまらん!いいんですよ、そんなんで。ダメですか?許してください。お願いキューピット。

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