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【Primary】Do worry Be happy【ANDA】

Track1 : The open boat (Feat. colde)

音楽を語るとき、その方法には幾つかのアプローチがある。それはどの角度から眺めるかということでもある。アーティスト(アイドル)を見るのか、楽曲を聴くのか、はたまたMVやライブを楽しむのか。それらはいわゆる、エンターテイメントとしては表立ったものであり、ファンや消費者においての共通言語として機能する。しかしながら、それと同等、もしくはそれ以上に重要な存在がある。それは作詞や作曲、あるいは編曲など、音楽において最も根幹的な部分を担う製作陣と呼ばれる存在だ。彼らは0から1を生み出すという素養が求められることからも最もクリエイティブなポジションとも言える。それら全てを統治し、支配する。まさに王としての権威を持つ存在が“プロデューサー”である。もちろんそれはKポップのみならず、Jポップや欧米の音楽シーンにおいても散々語られてきた題材でもある。今、世界で最も勢いのある音楽シーンの一つであるKヒップホップ。その最重要人物であり、今やKポップ全体にまで影響を及ぼす男がいる。その名は

Primary

本名 チェ・ドンフン(최동훈)
出生 1983年 1月31日 ソウル特別市
身長体重 177cm/71kg
家族 父母
学歴 慶熙大学校ポストモダン音楽学科学士
宗教 無宗教
事務所 Amoeba Culture
グループ プライマリースコア
デビュー Primary Skool『Step Under The Metro』(2016.09.26)

ふざけたルックスをしているが、この男が自他共に認める実力派の天才プロデューサーPrimary(프라이머리/プライマリー)。ちなみに頭にかぶっている段ボールはデビューアルバムの際、友達のアーティスト(現在NYで活躍する現代アーティスト・ユンヒョプ)に作ってもらったもので、名前の由来は音楽用語の「プライマリー・ドミナント」より。

初期はカラサデ(가라사대)というレーベルに所属しており、Tyle Music、Big Deal Recordsなどを経てAmoeba Cultureに落ち着いた。最初の方はそれこそ裏方として活躍していたが、2006年に手掛けたGarion『무투(武闘)』が韓国大衆音楽賞で「最優秀ヒップホップ曲」を受賞すると、同年Primary Skoolというバンドを結成し、アーティストとしてもデビューした。2009年にバンド名をP’Skoolに改名して、リリースされたセカンドアルバム『Daily Apartment』では、まだデビュー前のBeenzinoをほとんどの曲の客演に起用し、他にもDynamic Duo、Supreme Team、Sean2Slow、Dok2、Mellow、Paloalto、Aromなどが参加した。この頃からプロデューサーとしての才能と、アーティストとして表に出たいという欲求の帰着点として“フィーチャリング”というやり方を見出したように思う。2012年には初のソロアルバムPrimary名義で『Primary And The Messengers LP』という2枚組のフィーチャリング・アルバムをリリースする。こちらにはSupreme Team、Yankie、Paloalto、Bumkey、Beenzino、Dok2、Duble K、Garionなど、そしてまだ無名だったZion.Tが参加している。DISC2に収録されている『? (물음표) (Feat. 최자 Of 다이나믹듀오, Zion.T) 』は未だKヒッポホップのアンセムとして、方々でよく耳にする。

Track2 : Zeppelin

そして2015年にはHYUKOHのフロントマンであるオ・ヒョクと共同名義でアルバム『Lucky You!』をリリースした。このバンドでもなく、フィーチャリングでもない、他アーティストとの共作という形はPrimary自身の作家性を大きく進化させ、多くの実験的な楽曲が生み出された。さらに2016年Mnetの女性ラッパーのサバイバル番組「アンプリティ・ラップスター3」のプロデューサーも務めた。フィーチャリング、新人発掘、共作、そして女性ラッパー…それらが全て結合したのが2018年4月にリリースされた『Do worry Be happy』であり、その共作者こそが

ANDA

本名 ワン・ミンジ(원민지)
出生 1991年 2月5日
身長体重 172cm/51kg
学歴 成均館大学演劇芸術学部休学
事務所 YGX
デビュー ANDAMIRO(안다미로)『말고 (feat. YDG)』(2012.04.19)

デビュー時の名前が今と違うという、不思議な共通点を持つ二人。ANDAMIRO(アンダミロ/안다미로는)とは、韓国の古語で「器に並々と溢れんばかりにいっぱい」という意味らしい。もともとはエンペラー・エンターテイメント・コリアという香港の事務所の韓国支社に所属しており、2017年頃にエスチームに移籍し、2018年の7月YGエンターテイメントの子会社にあたるYGXと契約した。練習生時代はガールズグループとしてのデビューを目指していたが個性的なルックスと多様な音域がグループとしての調和が取れないという、すごい理由でソロとしてデビュー。実力は認められてたということが前提としてあると思うので、ある意味ソロになるべくしてなったとも言える。

「次世代ダンシング・ディーバ」というコンセプトでデビューしたこともあり、インパクト強目の曲が多く、モデル業にも精力的だったため話題性はそれなりにあったが、いまいちヒットには結びつかず。正直、楽曲との巡り合わせが悪かったとしか言いようがない。2015年にはANDAに改名し『S대는 갔을텐데』、The Quitteが参加している『it’s goin down』、『Touch』をリリースした。特に『Touch』はMVも相まって海外のKポップファンに絶賛された。本人もテレビに出た際、これらがデビュー曲だと答えていたので、過去はなかったことにしたい模様。ちなみにこの曲を聞いたヤンサから、アーティストとしての才を認められ後にYGに誘われることになる。2016年『TAXI』をリリースし、初のラップを披露した。宙ぶらりんだったシンガーとしての実力と妖艶なルックスは、個性的な楽曲とラップという現代的な武器を持つことによって、アーティストANDAを完成させた。

Track3 : Dressroom

本作『Do worry Be happy』は、最も多感な時期である青春という時代と恐れや不安ばかりに苛まれる若者たちの自画像をANDAのフィルターを通して表現したということ。アルバムタイトルは直訳すると「悩んで、楽しめ」ってことだけど、おそらくボビー・マクファーリン『Don’t worry be happy』のもじりで、80’sや90’sに謳われていた 牧歌的な未来賛歌を現代的な言葉にアップデートしているんだと思われる。様々な人の個性を引き出してきたPrimary、そして様々な個性を持つANDAだからこそ、多種多様な感情を巻き込んだ上で「くよくよすんな 楽しくやれるよ」って言えるんじゃないかな。

Track4 : 월명야 (月明夜) (Moonlight) (Feat. 신세하 (Xin Seha))

天才プロデューサーと次世代ディーバの化学反応は特別なアルバムを生み出した。全ての曲にMVが作られていることからも明らかなように、まるですべてがタイトル曲(実際のタイトル曲は『Dressroom』)でベスト盤のような仕上がり。是非とも(年齢関係なく)青春を生きるすべての人に楽しんでもらいたい逸品だ。

 

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