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【Apink】ウンジのノスタルジア【Being There】

10月17日、Apinkウンジ(정은지/Jeong Eun Ji)が3枚目のミニアルバム『혜화(暳花)』と、タイトル曲である「어떤가요(Being There)」をリリースしました。

ApinkはPlan A Entertaimentに所属しているグループで、“魔の7年目”と呼ばれるジンクス(韓国のアイドルは一般的にデビューから7年間の契約を結ぶため、その前後で解散やメンバーの離脱などの問題に直面する)を乗り越え、メンバー全員が再契約を果たしました。先日の7月2日にリリースされた7thミニアルバム『ONE & SIX』ならびにタイトル曲の「1도 없어(I’m so sick)」で、それまでの清純派なイメージを脱ぎ去り、成熟した女性としても変貌を遂げ、アイドルグループとしての第2章も好調なスタートを切りました。

そのメンバーであり、メインボーカルであるウンジは、女優もしくはソロ歌手としての活動が盛んで、Apink内でも最も大きいファンダムを持つと言われています。Apinkの再契約に対して懸念の声があったのも、ウンジの個人活動があまりにも目覚しかったことが要因の一つです。彼女の歌唱力はいちアイドルグループのメインボーカルという枠をはるかに飛び越え、同年代の女性シンガーの中でも頭ひとつ抜けた評価をされています。高音と低音を巧みに操る安定感のあるボーカルは、B1A4のサンドゥルをして「天才だ」と言わしめるほどです。

これまでのApinkでは主に清純派で元気な少女、変革の「1도 없어(I’m so sick)」では大人びた妖艶な魅力をダンスナンバーで発揮していますが、ソロ活動においては一貫してバラード曲を披露しており、それはウンジの類い稀なボーカリストとしての才を最大限に発揮するために必然の選択だと言えます。

ソロとしてのデビューは2016年4月にリリースされた1stミニアルバム『DREAM』で、タイトル曲は「Hopefully sky(하늘바라기) (Feat. 하림)」です。

 

2ndミニアルバム『공간(空間)』は2017年の4月にリリースされ、タイトル曲は「The Spring(너란 봄) (Feat. Hareem(하림))」です。

それぞれ春にリリースされた、この2枚のミニアルバムには作曲家チームの二段横蹴り(이단옆차기/イダンヨプチャギ)が参加しており、『공간(空間)』ではアルバム全体のプロデューサーも兼任しています。

また、シンガーとしてのウンジを語る上で外せないのが、OST(オリジナル・サウンド・トラック、いわゆるサントラ。ドラマ・映画大国である韓国においてOSTは非常に大きなセールスコンテンツであり、作品が作られるたびに制作され、Kポップの第一線で活躍しているアーティストも頻繁に参加している。アイドルグループからはメインボーカルやリードボーカルがソロで参加することが多い)での活躍です。

本人も出演した2012年のドラマ「応答せよ1997」の主題歌「All For You」は大ヒットし、ミュージックバンクのK-ChartのOST部門で11週連続1位の記録を作りました。

こちらは、2017年のドラマ「力の強い女ト・ボンスン」のOSTです。ちなみに関係ないと思いますけど、ウンジも力持ちでパワー系アイドルとして知られています。


秋にリリースされた今回のミニアルバム『혜화(暳花)』は、これまでの二段横蹴りではなく、ApinkやEXID、FiestarやT-araなどの楽曲提供で知られるBEOMxNANG(ボミナンイ)との共同作業となっており、ウンジはアルバム全体のプロデューサーも務めています。それに合わせて曲調も変化しています。これまでの2曲も落ち着いた旋律のバラード曲ではありましたが、明るくポジティブな印象を与える穏やかなサウンドでした。しかしながら、今回の楽曲はピアノとアコースティックギターで彩られたシンプルな構成となっており、非常にしっとりとした物憂げな雰囲気を纏っています。それでいながら、どことなく希望を感じられるのはウンジの表現力によるものだと言えます。

アルバムタイトルの「暳花(へファ)」とは“星が煌めく花”という意味で、事務所の公式発表によれば「花を咲かせて輝く若者たち指す言葉であり、ウンジが人生で感じた感情、記憶、感性をインスピレーションに“青春”に対するメッセージを歌う詩集のようなアルバム」とのことです。

「어떤가요(Being There)」のMVでは、夏の終わりに都会で時間に追われ、慌ただしい日々を送る女性が、通勤の電車を乗り過ごすところから始まります。一路田舎の実家に戻り、母親や愛犬という家族と過ごすことで、疲れを癒し、英気を養い、笑顔を取り戻していきます。変わらぬ実家、母の愛に絆されて、自分の居場所(都会)へ戻る決意を固めます。気持ちも新たに踏み出した彼女の足元には、秋の訪れを告げる栗が転がっています。









タイトルの「어떤가요(オドンカヨ)」は“どうですか?”という意味で、安否を尋ねるときの決まり文句でもあります。英題の「Being There」とは“ただそこにある”という意味ですが、Thank you for being thereなど“そばにいてくれてありがとう”などと言った感謝の言葉にもよく用いられます。日常では当たり前のように存在している両親や実家ですが、人生に傷ついたときや、逃げ出したくなった時に、ただそこにいて帰る場所を作ってくれているということで感じられる存在の大きさや、ありがたさという観点から両方の意味合いが込められているように思います。ウンジ自身も釜山出身で、今回の楽曲は実家で一人暮らす母を想って書いた曲だそうです。ちなみに父親はトルクメニスタンに単身赴任しており、片親というわけではありません。ソロデビュー曲の「Hopefully sky(하늘바라기) (Feat. 하림)」は、その父についての曲だそうです。

再生時間8分超という、Kポップの短いMVを見慣れている皆さんにとっては長編映画とも言える長さですが、実際見てみるとウンジの演技力と映画のようなカット割り、何よりその美しい歌声とメロディで体感としては非常に短く感じられる作品に仕上がっております。それでも「8分はちょっと…」という忙しい皆さんには、3分13秒のライブver.がありますのでこちらをどうぞ。歌唱力については折り紙つきなので、クオリティはご心配なく。

最近、仕事に追われて実家に帰ってない、なんて人はウンジの歌声を聴きながら親の顔を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。そして、仕事を休んでとまでは言いいませんが、折を見て帰省してみてはいかがでしょうか。遠くで健康を祈ってくれる、仕事で頑張る自分を応援してくれる、ただそこに居てくれる、帰るべき場所があるということが、どれだけ大切な存在なのかということがわかるはずです。それはきっと明日を生きるあなたの糧になることでしょう。

 

ウンジは11月28日と29日には東京・渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールにて、日本初のソロコンサートである『2018 Jeong Eun Ji 1st Live in Japan Hyehwa』を開催します。美しいウンジの歌声を生で味わえる、またとない機会です。チケットも余っているようなので、今回の楽曲に心打たれた方は伺ってみてはいかがでしょう。

 

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