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【Drunken Tiger】「ヒップホップ 居酒屋 ドランクンタイガー」閉店のお知らせ【Mantra】

平素より当店をご愛顧いただき、まことにありがとうございます。「ヒップホップ居酒屋 ドランクンタイガー」は、このたび第10弾コリアン・ヒップホップ・レシピ集「Drunken Tiger X : Rebirth of Tiger JK」の発売をもちまして閉店することとなりました。

まずは最後のメイン料理となります「끄덕이는 노래(Mantora」をご賞味頂きながら、お付き合い下されば幸いです。

思い返せば店主である私、タイガーJKがソウルで生を受けたのが1974年。その後、父について渡ったアメリカで珠玉の料理・ヒップホップと出会った事が始まりでした。1992年に尊敬するヒップホップ料理人集団・N.W.A.のアイス・キューブ氏が作った「Black Korea」という1品に触発され、そのアンサー料理を作った事が私の人生を決定づけました。通っていた高校でその品が好評となったことで、ヒップホップ料理コンテストにも招待され、そこで披露した「Call Me Tiger 」では賞も頂き、後の相棒となる韓国系アメリカ人・DJシャインとも出会う事ができました。

それから私たちは母国でひと旗あげようと、タイガーJKヒップホップ・レシピ集「Enter The Tiger」を作成し、それを手に韓国へと渡りました。しかし当時の韓国は、例えるなら日本の“寿司”が昔のアメリカではまだ“=カリフォルニアロール”程度で、“本場の寿司”を提供しようものなら「ナマノサカナ?ホワット!?」「タコ?イカ?ジーザス…」だったのと同様に、“ファッションやダンスのみ”が“ヒップホップ”だった韓国では「本場のヒップホップ 料理」は全く受け入れてもらえず、おまけにレシピは全て英語、私たちも韓国語がほとんど話せない事もあり、失意の内にアメリカへと帰ったのをよく覚えています。

1997年に再び韓国の地を踏んだ私たちは、以前とは状況が変わっている事を肌で感じました。屋台を出し、路上で「ヒップホップ 料理」を提供し、地道な普及をしていこうと思っていたところ、思いのほか来店する方達が多かったのです。それは1996年辺りから「ヒップホップ 料理」の認知度が高まっていたことにあります。私たちは満を持して「ヒップホップ居酒屋 ドランクンタイガー」を開店し、第1弾レシピ集「Year of the Tiger」を上梓。まだ韓国語のおぼつかない私たちは友人の協力の元、レシピを韓国語にする事でローカライズに成功。それも相まって好評を頂き、繁盛店としての一歩を踏み出す事となったのです。

記念すべき第1弾ヒップホップ ・レシピ集「Year of the Tiger」の表紙

その後の店舗は順調で、多くのお客様にご来店して頂き、また、数々の会場で私たちの料理を提供する場にも恵まれ、大変感謝しております。しかしながら良いことは続かないもので、2005年には残念なことに相棒・DJシャインが料理観の違いから退社、私自身も100万人に1人しか発症しない脊髄炎を患い、長い闘病生活を余儀なくされるなど苦難の時期を過ごす事となりました。幸いにも後の伴侶である若女将、ユンミレの献身的な看病により現在は奇跡的に完治。再びマイク片手にヒップホップ料理を振る舞えるようになりました。

愛する妻と私

「ヒップホップ居酒屋 ドランクンタイガー」を開店して20年。私はそれを一つの区切りとして、店舗を閉店する事を決めました。かつて“ファッションとダンスのみ”だと思われていた時代から、今や国民食となり、世界へも羽ばたこうというコリアン・ヒップホップ料理。私がパイオニアだなどとは露ほども思ってはいませんが、その普及の一旦を担ってきたであろうという自負はあります。若い世代の方たちからは「オープン・ヒップホップ料理選手権ショーミー・ザ・マネー6でウ・ウォンジェ君をピックアップした、日本の芸人“笑い飯”の片割れに似た、いつも長い調理服を着た人」くらいに思われているようですが、彼の最近の活躍ぶりを目にすると、そういった認識であっても有り余る光栄であると同時に、今後の業界を担う若手を発掘出来た事は、ヒップホップ料理人冥利に尽きるといったところでもあります。

そんな中、一度店舗の看板を下ろし、いちヒップホップ料理人として活動していくのも良いのではないかと思うようになりました。20年という歳月は長いようで短かったように思いますが、今後はタイガーJK個人として、また妻・ユンミレと友人Bizzyとのケータリングヒップホップ料理グループ・MFBTYとして活動していく予定です。

さて、総仕上げとなる第10弾コリアン・ヒップホップ・レシピ集「Drunken Tiger X : Rebirth of Tiger JK」です。最初にご賞味頂いたメイン料理「끄덕이는 노래(Mantra)」は、オールドスクールテイストに仕上げており、「What」や「Ho」という昔ながらの食材を使用する事で、特に大勢の方と食卓を囲んで賑やかに食し、楽しんでいただけたらと思っています。そして私ごとですが、こちらのレシピには若かりし頃考案した一品「Good Life」時の私の写真も掲載させて頂くなどのご配慮まで頂き、大変感慨深くもあります。

画像の荒さが年代を感じさせます。

レシピ集には他にも妻であり若女将でもあるユンミレはもちろんのこと、新旧数多くの仲間に協力を頂き、全30品目というとてもボリュームのある一冊を作り上げる事が出来ました。中でも、今や世界の料理人集団となったBTSのシェフ・RM君との共作はとても思い出深い一品となりました。大衆受けよりも私たち2人が追求する方向性を重んじた事で、最も独特でオリジナルなヒップホップ料理であると同時に、正統派のヒップホップ料理でもあるという、私のキャリアの中でも最高の一品が出来たのではないかと思っています。

このレシピには仕掛けもあり、イラストがゆっくりとスクロールしていくというユニークな仕上がりになっています。

このレシピ集を最後に「ヒップホップ居酒屋 ドランクンタイガー」という看板はおろしますが、店舗はなくなっても私、いや、私たちが残したレシピは今後も読み継がれ、語り継がれていくものと信じております。また、マイクという商売道具を手放す訳でないので、今後も引き続き応援して頂けると幸いです。

では長い間、ご愛顧いただいた多くの方達に改めて御礼申し上げると共に、これからもヒップホップ 料理道に精進して参ります事を宣言し、最後の挨拶に代えさせて頂きます。

本当にありがとうございました。

店主・タイガーJK


この物語は多分な創作が含まれている事をご理解いただけますようお願いいたしますw

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