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【ウ・ウォンジェ(Woo)】帰ってきた悪魔王子【CASH】

いまKホップホップ界で最も注目すべき若手ラッパー、ウ・ウォンジェ(우원재/Woo Won-jae)が、彼自身のソロ名義としてはシングル「Anxiety(収録曲は「Loop」と「Paranoid」)」以来、1年ぶりに音源をリリース。

待っていましたよ心から。

11月16日には先行シングル「CASH」、22日にはその「CASH」を含んだ初の7曲入りのEP「af」が発表されました。

思い返せば約4ヶ月前の7月29日、お台場・Zepp Tokyoで行われた「CKKJ Summer Vive」で初めて日本でのパフォーマンスを行った彼(イベントレポートはこちら)。SHOW ME THE MONEY6で大衆に衝撃を与えたパフォーマンスよりは随分ソフトになっていた印象で、AOMGに加入し、ジェイ・パークやサイモン・ドミニク、ロコ達とライブをやっていく中で、彼の最大の特徴でもあった“闇”は少しずつ緩和されていったのかな、と嬉しくも若干の寂しさを感じたものでした。フロウやパフォーマンスも小慣れてきた感があったし、いくつかのライブ模様を見てもすごく笑顔が多くなっていて、良くも悪くもスマートなラッパーになっていくのかなと。

とはいえ、「CKKJ」でのパフォーマンスで、間奏中に「おい、どこ見てんだ?君の心はどこに行ってんだ?」というような中空をジッと見つめたりする姿は「彼らしいな」という感じはありましたが。

しかし、この「CASH」、MVも合わせて不穏な感じがビシビシ伝わる気持ち悪い作り(これは褒め言葉です)で、「おぉ、やっぱりウ・ウォンジェ はまだウ・ウォンジェ だ」と胸を撫で下ろしたりして、改めて自分はこういう彼のスタイルが観たかったんだと再確認した訳です。

EPのリリースに伴い収録曲「울타리 (a fence) 」のMVも公開されましたが、今回はまず「CASH」に焦点を当てたいと思います。

そこで初めて歌詞の和訳に挑戦してみました。英語とハングルで構成されたこの曲ですが、韓国語・英語の慣用句やスラングなぞ分からないので、「そういう意味じゃないし」というところもあるでしょう。まぁそのまま受け取らず、意訳だと思って「だいたいこんな感じなのね」位で見てください。

「CASH」

作詞:Woo Won Jae
作曲:Woo Won Jae, TE RIM
編曲:TE RIM

金、俺の仕事と俺のベンツ
いま俺は罪を犯している 俺は死んでいる
金はお前と俺の痛みになる
でも好きだね、俺は死んだ
金、俺の愛で俺の家族
だから俺は俺の親父を愛してる
金はお前と俺の人生が大好きなんだ
けどな、金目当てのクソ共 俺は自分自身が大嫌いだ

金、俺の仕事と俺のベンツ
いま俺は罪を犯している 俺は死んでいる
金はお前と俺の痛みになる
でも好きだね、俺は死んだ
金、俺の愛で俺の家族
だから俺は俺の親父を愛してる
金はお前と俺の人生が大好きなんだ
けどな、金目当てのクソ共 俺は自分自身が大嫌いだ

金のために生きて、金のために死ぬ
金のために泣く、金のために失われた
金に急き立てられ、金のために無気力
無力な金、金のためにひれ伏す
金、金、金、 金に怯える
俺が必要とするのは金だけ、それはペテンだ
もし俺に金があれば、俺は素晴らしい人生を送るだろう、クソが
金は公平だ、けれど時として差をつける
金は慈悲深い、しかし非情だ
俺は怖い、奴らには法律や差し押さえも関係ない
しかし、お前はそれをやめろ、金はお前に責任を押し付ける
俺はすでにそれに慣れてる、資本主義への白旗ってやつだ
お前がその汚れを落としても、ここには清廉潔白なやつなんて誰もいない
俺は金を稼ぐ
その通り、俺は汚れている
ああ神よ、深い傷
時々、俺は本当に驚くんだ
俺は閃いた
金は悪だ
俺たちは大金にそっくりだな

金、俺の仕事と俺のベンツ
いま俺は罪を犯している 俺は死んでいる
金はお前と俺の痛みになる
でも好きだね、俺は死んだ
金、俺の愛で俺の家族
だから俺は俺の親父を愛してる
金はお前と俺の人生が大好きなんだ
けどな、金目当てのクソ共 俺は自分自身が大嫌いだ

どうかお前は耐えてくれ

俺は耐えられない
俺はバカだ、それがどうした?
俺はもっと大金を得る あぁそうだ
俺は耐えられない
金は最高だね、まだ足りない
俺は耐えられない
もしも公平なんてないのなら、俺は全ての武器を使ってそれを取りに行く
俺は止められない
もしもこれが俺の落ち度なら、俺はその忌々しい金にもう一度チャレンジする
あぁ、俺は金の亡者だな
俺は金の奴隷だ
それは外に広がっていく
けれど俺の内部は腐っている
あぁ父さん
助けてくれ
飛び降りる準備ができているんだ
金を得たあと
俺は罪悪感に苛まれる
なぁ現金よ、どこから来たんだ? 知らないな
捕まった
俺は嘘が金になることを祈って、俺たちは金を稼ぐ
そう、俺はこの間違い全てを愛している
けどな、クソども、俺は自分が嫌いだ

金、俺の仕事と俺のベンツ
いま俺は罪を犯している 俺は死んでいる
金はお前と俺の痛みになる
でも好きだね、俺は死んだ
金、俺の愛で俺の家族
だから俺は俺の親父を愛してる
金はお前と俺の人生が大好きなんだ
けどな、金目当てのクソ共 俺は自分自身が大嫌いだ

けどな、クソども、俺は自分自身が大嫌いなんだよ

 

これを見ると、やはり人間の根本はそう簡単に変わるもんじゃないんだなと。彼の中にある情念と言いますか、上手く世渡りの出来る人たちとはやっぱり相容れない部分があって、彼はそれを歌にする事で世間との隔たりを昇華しているように思います。私はごく普通の人間ですが(彼も「自分は普通の人間」と言っていましたが、「うつ病で不安障害、パニック障害にも悩まされている」と語っていたので、“普通”ではないんじゃないの?とは思いますがw 現在それがどうなったかまでは分かりません)、“どちらかと言えば”彼よりなところがあって、そういう少なからぬシンパシーめいたものが彼に惹きつけられる要因の一つだと思っています。

いち大学生で素人ラッパーだった彼が、SHOW ME THE MONEYによって一躍スターダムへと上がった訳ですが、「CASH」の歌詞から想像するに、環境の変化に戸惑っている姿がみて取れます。最近ではNew BalanceのCMに出たり、LocoとそのNew Balanceのコラボ曲を出したりと、服装や髪型まで洗練されて随分スタイリッシュになり、今回から「Woo Won-jae」ではなく「Woo」なんてアーティスト名義になったりもしている彼ですが、 そのアーティストとしての特異性は保ちつつ、彼なりの幸せを見つけてくれればいいなと願う私でした。

EP「af」に関しては先にも書いたように「울타리 (a fence) 」のMVも公開されているので、改めてレビュー出来ればと思っています。それでは。

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