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【スティーヴ・アオキ】Waste It On Me【feat. BTS】

スティーブ・アオキ。この名前、Kポップファンの中ではもうすっかりお馴染みになった事でしょう。そうです、BTSの「MIC DROP」をリミックスした人ですね。

今回の「Waste It On Me」はその「MIC DROP」と今年5月に発表された「The Truth Untold」に続き、BTSとスティーヴ・アオキが組んだ3度目のタッグとなるんですが、これまでと違うところはBTSが全編英語で歌っているという事です。なお、参加しているのはRM、ジミン、ジョングクですが、アオキさんは「一緒にやったのは“BTS”だよ」と言っているので、BTSなのです。

 

さて、せっかくなのでアオキさんの経歴を簡単にご紹介いたしましょう。

スティーヴ・アオキ

本名:Steven Hiroyuki Aoki。1977年アメリカ・フロリダ州マイアミ出身。おじいちゃんは日本橋に居を構えるレストラン「紅花」の創業者・青木湯之助、お父さんは世界110店舗を展開する鉄板焼きレストランチェーン「BENIHANA」の創業者・青木廣彰(通称:ロッキー青木)、更にはファッションモデルで女優でもあるデヴォン青木は異母妹という、すんごい家族を持つ方です。

デビューは1996年。両腕を水平に伸ばして両足をがに股に開きジャンプする「Aoki Jump」がトレードマークで、ライブでは観客にケーキを投げつけるのが恒例でもあり、これまでそのケーキを受けた人数は1万人以上とか。これまでLinkin ParkやBlack Eyed Peasのwill.i.amなどとも共演している、世界でも屈指の人気を誇るEDMアーティストでありプロデューサーです。

スティーヴ・アオキ×BTS。それはEDMとKポップという異なるジャンルの、まさしくトップアーティスト同士の共演となる訳です。

そして「Waste It On Me」です。MVにBTSは出てきませんが、アオキさんと妹のデヴォンさんは登場します。

兄と


妹。

しかしそれよりもメインで出てきて、シリアスなんだけどその表情で笑っちゃうオッサンがいますね。これ誰やねん?と思った人も少なくないかもしれません。

彼の名前はケン・チョン。韓国系アメリカ人で、元はれっきとしたお医者さんでしたが、その後スタンダップコメディアンへと転身した異色の経歴の持ち主。映画好きな方ならば、当時はまだ無名だったブラッドリー・クーパーが出演していた大ヒットコメディ「ハングオーバー」シリーズでお馴染みです。

そんなケン・チョンが主演を務める「Waste It On Me」。曲調はトロピカルポップにバラード調のピアノが加わったアンビエントEDM。歌詞は「どうして僕じゃだめなんだ/こんなの良くないことはわかっている/君の気持ちを変えられないことだって/だけど今夜、僕らは出会ってしまった」というラブソングなんですが、注目すべきは出演者なんじゃないかと。

私はこのMVを見てある事を思い出しました。それは日本でも9月に公開された「クレイジー・リッチ(原題:Crazy Rich Asians)」という映画です。これは本国アメリカでも大ヒット、批評家からも大絶賛されたラブコメですが、注目を集めたのは主要キャストが全員アジア系、そして監督、原作、脚本などもアジア系の人たちが中心になって作られているという点です。これまでのハリウッド映画は、原作ではアジア系であっても、映画化する時にはキャストを白人にしてしまうという蛮行を繰り返してきました。少し前で有名な事案を挙げれば、日本の漫画・アニメである「攻殻機動隊」の主人公、草薙素子をスカーレット・ヨハンソンが演じるなんて事がありました。その理由は簡単です。アジア系の人が主役ではヒットしないからです。正確には「ヒットしないと思われていた」からです。それを覆したのが「クレイジー・リッチ」で、これからのハリウッド映画は変わっていくだろうと言われています。ちなみにこの映画にはケン・チョンも出演しています。

そしてこの「Waste It On Me」もケン・チョン、スティーブ・アオキ、デヴォン青木に加え、ジミー・O・ヤン、ロス・バトラー、ジェイミー・チャン、レオナルド・ナム、ヴィンセント・ロドリゲス3世という出演陣は全てルーツをアジアに持つ人たちばかり、MVの監督も韓国系アメリカ人である、Linkin Parkの“Mr. Hahn”ことジョー・ハーンが務めています。

もちろんMVはそれ自体で興行収入を得るのがメインではありませんが、アメリカをはじめとした世界中で人気のあるスティーブ・アオキとBTSが共演し、更にはMVの出演陣と監督までアジア系で固めるというのは、「クレイジー・リッチ」同様に、おそらくこれまでになかったんじゃないでしょうか。

美しい楽曲に反して、ケン・チョンのコメディ要素が強く、一体どういう立ち位置で観たらいいんだ?と一瞬戸惑うようなこのMV。そういった視点で見ると、これまで差別や偏見などが蔓延していた世界が、また少し正しくあるべき未来の姿へと近づいたんじゃないか。そんな風に思うMVでしたが、あなたにはどう映ったでしょうか。

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