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【FANXY CHILD】オールスター2019【Y】

韓国のヒップホップシーンには「クルー」というものが存在します。
これは事務所の枠にとらわれず、共通の音楽観や古くからの友達同士などでクルー(集団)を作り、そこで音源を発表したりライブを行ったりするのです。

これは私個人の印象ですが、クルーは事務所の所属ではなく有志で集まっているので、ストリーミングなどを含めた音源が活動の中心なのではないかと思います。
もちろんそればかりという訳ではなく、例えばHIPHOPPLAYAというマガジンサイトが行うイベントでの動画や、クルー名を冠したMVもありますし、個人でライブの模様をYouTubeにアップしている人などもいるので、何かのきっかけでその存在を知る事もあるでしょう。
以下はZion.TCrushLocoGray、Eloの所属するVV:Dと、HAON君とVINXENなどが所属するKIFFCLANの動画です。

とはいえ、やはり本国でライブなどを目にする機会の少ない日本において、よほど能動的に探っている方でない限り、クルー単位まで知っているという人は少ないのではないでしょうか。

しかしクルーの認知度、或いはこの名前であれば、という点で別格の人たちがいます。

FANXY CHILD

メンバーには前記したVV:Dにも所属しているR&BシンガーのCrushとMillion Market所属のPENOMECO。

Crush PENOMECO

2人に関しては当ブログで何度も登場しているので説明は省きますが、プロフィール/経歴を知りたい方は以下をご参照下さい。

・【Crush】韓国のR&Bってどうなのよ?ナムジャ編【Cereal Feat. ZICO】
・【PENOMECO】耳から香るNo.5【Feat. Crush】

そしてHeizeにフィーチャリングした「And July」「Shut Up & Groove」でも有名なR&Bシンガーソングライター、DEAN。

DΞΔN (DEAN)
クォン・ヒョク(권혁)
1992年11月10日
大韓民国・ソウル特別市 西大門区 弘恩洞
177cm/O型
所属レーベル:Universal Music/Joombas Music Group
所属クルー:Club Eskimo/FANXY CHILD/you.will.knovv
TwitterfacebookInstagramYouTube

彼の経歴に関しては過去記事【プレイリスト】逃した犬 2018【ナムジャ編】で簡単に触れていますが、今回はFANXY CHILDの記事なので、詳細などはまた別の機会にしたいと思います。

続けてYG ENTERTAINMENT傘下のレーベルだったHIGHGRND(2018年8月に解体)に所属していたDJ兼プロデューサー、millic。

millic
チョン・スンヒョン(천승현)
1993年4月24日
所属クルー:/Club Eskimo/FANXY CHILD
Instagram

プロデューサーのSTAY TUNED。彼については情報が極端に少ないので詳細がわからないのですが、どうやら裏方がメインで、録音などには参加しないようです。ただPENOMECOの楽曲のリミックスや、InstagramにはHAON君やSik-Kのアルバム画像が上がっているので、そっち系の人である事は間違いなさそうです。

STAY TUNED
シン・ヨンシク(신용식)
InstagramSoundcloud

そしてリーダーはこの人。

ZICO(지코/ジコ)
ウ・ジホ(우지호)
1992年9月14日
大韓民国・ソウル特別市 麻浦区 上岩洞
181cm/64kg
所属グループ:Block B
リーダー/メインラッパー
所属レーベル:KOZ Entertainment
所属クルー:Buckwilds/Do’Main/FANXY CHILD
TwitterfacebookInstagramYouTube(※)

※facebook、YouTubeはいずれもKOZ Entertainment

FANXY CHILDは、同学年という事もあって以前から親交のあったZICOとCrushが、2015年にDEANがデビューする際にCrushを介してZICOとDEANが仲良くなり、その流れで2016年にクルーを結成したようです。PENOMECOはZICOと高校時代からの友人で、millicはDEANとClub Eskimoでクルーメイトだったので、その繋がりで加入したのではないかと思われます。STAY TUNEDに関してはわかりません。

2016年11月28日。まだクルーとしては正式発表されていませんでしたが、ZICOのシングル「BERMUDA TRIANGLE」にDEANとCrushがフィーチャリングします。

ZICO/BERMUDA TRIANGLE (Feat. Crush, DEAN)

2017年7月10日。millicのアルバム「VIDA」のタイトル曲「PARADISE (FEAT. FANXY CHILD)」にてクルー名が初登場。

millic/PARADISE (FEAT. FANXY CHILD)

2017年7月12日にはZICOのソロアルバム「TELEVISION」に収録された「FANXY CHILD(Feat。FANXY CHILD)」でその名が再び登場。

ZICO/FANXY CHILD(Feat。FANXY CHILD)

その後、クルーとしての活動はありませんでしたが、メンバーそれぞれの楽曲にフィーチャリングやプロデュースをするなど、交流は続いていました。

そして今年8月9日。クルー名を冠した楽曲としては初となるシングル「Y」をリリースしました。タイトルの「Y」は、MVで“Y”字路に佇むZICOのカットがあるように「分岐点」を表しているそうです。

これは、決まった答えだけを求められながらも常に疑問がつきまとう人生の中で、「Y」という分岐点に向き合った若者たちの自画像を合わせ鏡のように描き出し、他人の視線ばかりを意識して挑戦しない姿を揶揄する内容になっています。
特にエンドクレジット前のラストカットでは、「Y」の字からカメラが引いていくと、何かの巣のような形の中に無数のZICOがいる様子が描かれており、それは常に選択を迫られながらも、決してその場から抜け出すことが出来ない場所であるかのようにも見える事から、「画一的になるな」というメッセージが込められている気もします。

そのMVの最後に映るクレジットには「DEAN/DAYFLY」「PENOMECO/COCO BOTTLE」「Crush/NONE」「MILLIC/PARADISE」がインスパイア元として表記されています。
DEANとPENOMECOはビジュアル面で、別れた恋人の事を想って内に篭ってしまっているCrushの歌詞と、「もっと高いところへ行こうぜ」というmillicの歌詞は、対の表現として「Y」に反映されているのではないかと思います。

ちなみにこのMVは、ZICOが前所属事務所であるSeven Seasonsから独立し、新たに設立したKOZ Entertainmentのチャンネルで公開されていることに加え、2018年11月22日に「SAM KIM/It’s You」にフィーチャリングで参加して以来、約9ヶ月ぶりの表舞台でもあります。

そんなFANXY CHILDは8月10・11日の2日間、ソウルオリンピック公園SKオリンピックハンドボール競技場で初の単独コンサート「Y」を開催しています。

FANXY CHILDは「Y」以前には3曲しか出していないのに、なぜ抜群の知名度を誇っていたのか。
それはもちろんZICOを中心としたDEAN、Crush、そしてPENOMECOが超のつく人気・実力を伴った一流アーティストだからです。その面々が一緒に音楽をやるのです。
ヒップホップを余り聴かない人であれば、年末にアイドル達が音楽特番でやるスペシャルステージを思い起こしてみてください。

オールスター感。これにつきます。
情報がある訳ではないのですが、ライブまでやったんだから、また何かあるんじゃないかと期待してしまうのはしょうがないでしょう(とりあえずZICOが9月にアルバムを出す予定らしい事はライブで言っていたようです)。

彼らが最初に始動した時の「ZICO/BERMUDA TRIANGLE (Feat. Crush, DEAN)」にはこんな歌詞があります。

뭔 일이 난 거야 92년도엔
何が起こったんだ 92年に

92年というのはクルーを結成したZICO、DEAN、Crushが生まれた年の事を指しています(ちなみに後から加入したPENOMECOも同じ)。今では93年生まれのmillicもいるので、その括りではありませんが、彼らが今後も継続して動いていくようであれば、こんな事があるかもしれません。

뭔 일이 난 거야 2019년도엔
何が起こったんだ 2019年に

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