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【Simon Dominic】暗室の外にあったもの【No Open Flames】

9月3日(火)、AOMG所属のサイモン・ドミニクがEP「화기엄금(火気厳禁)」をリリースしました。これは昨年10月30日にリリースされたシングル「왈(曰く)」以来。いつもですとアーティストが新しい音源を出した場合「カムバック」という言葉を使っていますが、今回はそれよりもこちらの方がしっくり来るでしょう。

サイモン・ドミニク、“完全復活”。

【Simon Dominic】暗室の中にあるもの【DARKROOM:roommates only】

それはなぜかというのをザッと説明しますと、彼は元々E SENSとSupreme Teamというコンビを組んでいましたが、2013年7月にコンビが事実上の解散となると、2014年3月にはジェイ・パークが設立したレーベル・AOMGに共同代表として迎えられます。しかし2015年8月21日にシングル「₩ & ONLY」をリリースして以降、約3年の間音源のリリースがありませんでした。
一方で、同じCEOであるジェイ・パークはフィーチャリングも含めてありえない程の音源を量産しており、サイモン・ドミニクはその働きぶりを比べられ「일해라 정기석(仕事しろ、チョン・ギソク)(※サイモン・ドミニクの本名)」と揶揄されるようになってしまいます。
2018年6月15日についに移籍後初のアルバム「DARKROOM:roommates only」をリリース。
ようやく本格始動か、と思われた矢先の同年7月25日、突然AOMGのCEO辞任を発表します。

そして同日18時、「Me No Jay Park」を公開。

タイトルだけ見ると一瞬Dis曲なのか?とも思いましたが、実際にはジェイ・パークと比べられる事の苦悩やプレッシャー、CEOとしての責任、自身が音源発表を出来ない不甲斐なさなどから辞任を決意した経緯が綴られた歌詞となっていました。
とはいえ、ジェイ・パークをはじめとしたAOMGとの関係が悪くなった訳ではなく、今後は“いちアーティスト”としてAOMGに残り、レーベルを盛り上げていくという立場を選択する事となりました。

その後「왈(曰く)」をリリース以降、音源発表はありませんでしたが、彼の動向を追ってきた身として感じたのは、彼の中で何かが変わったような気がするという事です。
CEOという職から解き放たれた事もあるとは思いますが、個人的な推測としては2017年にAOMGに加入したWoo(ウ・ウォンジェ)の存在が大きかったのではないかと考えています。

【ウ・ウォンジェ】ダークサイドからアニョハセヨ【AOMG】

彼がどんな人物なのか、というのを改めて説明すると長くなってしまうので過去記事を参照して頂きたいと思うのですが、有り体に言ってしまえばWooは「心に闇を抱えた存在」です。
一方のサイモン・ドミニクもAOMG加入後は多くのことに悩み、過去に負った精神的な傷や体験なども詰め込まれたアルバムが「DARKROOM:roommates only」でもあります。

そんな2人はツアーで時間を共にする事が多く、その中でそれぞれの体験や考えなど相通ずる部分があったのか、時折見ていたライブでの動画などでも、他のメンバーとはちょっと違う関係性であるように思え、明らかに2人ともそれまでより笑顔が多くなったような印象を受けたのです。
それはサイモン・ドミニクとWooが、お互いの良き理解者になっていったという事なのかもしれません。

以下の動画は今年の2月、AOMGのLOCOが義務警察へ入隊する際、レーベルの仲間が見送りに行くという動画ですが、サイモン・ドミニクとWooを見ても、かつて自身の内にある痛みを吐き出すような歌詞を綴った人物とは思えないほど穏やかで、和やかな表情をしています。

そんな2人はWooが今年の3月11日にリリースしたシングル「SS」で初共演を果たしています。

そしてその共演から5ヶ月。8月14日にサイモン・ドミニクが10ヶ月ぶりとなるシングル「DA×4」をリリース。

翌週の21日にはフィーチャリングにLoopyとCrushを迎え、シングル「make her dance」をリリース。

更にその翌日には新たなリリースの告知がされます。

しかしその9月3日を迎える前の8月28日には「POSE! Feat. 염따」が、30日には「ya ain’t gang Feat. JayAllDay & SIMO of Y2K92」のMVが立て続けに公開されます。

私は正直なところ、この時何が起こっているのかわからず、やや混乱しておりましたが、少し後になってEP「화기엄금(火気厳禁)」(英題:No Open Flames)がリリースされることを理解したのです。

そして9月3日、EPのリリースと同時にタイトル曲「GOTT」のMVが公開されました。

フィーチャリングに参加しているのはMillion MarketのR&Bシンガーソングライター・MOON。

Indigo Music所属のラッパー、ジャッキー・ワイ(※MVへの出演はなし)。

そしてWooです。

「GOTT」のMV自体はR-18でもよさそうなくらい刺激的ですが、リリースされた一連の音源を聴いてみると、非常にバラエティに富んでいて、SWAGで、パワフル、そして生き生きとした彼の姿があります。

Wooという心強い仲間を得た事で、彼はようやく「DARKROOM=暗室」の中にあった痛みから解放されたのかもしれません。

そしてAOMGでのサイモン・ドミニク第二章は、いまここに始まったのです。

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