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【ペク・イェリン】苦難から生まれた次なる音源強者【Every letter I sent you.】

JYP Entertainment

言わずと知れた韓国三大事務所の一つで、練習生の多さはもちろん、現役Kポップアイドルをちょっと探ってみれば「元JYP」というコたちが山ほどいます。
少し例を挙げてみればEXIDのハニとジョンファ、元I.O.Iのチョンハ、PENTAGONのフイ、fromis_9のチェヨン、IZ*ONEのチェヨンなどなどがそうです。

しかしそのJYPが逃した最も大きな魚と言われているのが、オーディションで落選し、練習生にすらなれなかったこのお方。

今や音源強者の1人として、曲を出せばチャートを席巻し、先月リリースした「Love poem」でも長らく各音源チャートの1位に君臨しており、人気・実力ともにKポップ界のトップアーティストと呼ばれるIU嬢ですが、今回は、そのIU嬢が入る事の出来なかったJYPでデビューしながらも、先日事務所を離れた1人のアーティストをご紹介いたします。

ペク・イェリン
(백예린/YERIN BAEK)
ペク・イェリン(백예린)
1997年6月26日
大韓民国・大田広域市 中区
165cm/B型
所属事務所:BLUEVINYL
soundcloudInstagramYouTube

ペク・イェリンは2007年、SBSのオーディション番組「STARKING」に「10歳の天才バラード歌手」として出場し、ホイットニー・ヒューストンの「I have nothing」を披露。見事に優勝を果たし、早々と注目を集める事となります。

同年、JYPの公開オーディションでビヨンセの「Listen」を歌い、合格を勝ち取り、練習生生活をスタート。2010年にはアメリカへと留学し、2年間ボーカルレッスンなどのトレーニングを積みます。

そして2012年。
同年(厳密には2011年12月〜2012年4月にかけて)放送されたサバイバル音楽番組「Kポップスター・シーズン1」で優勝を果たしたパク・ジミン(박지민/Jimin Park)がJYPと契約し、5月に入社。1ヶ月ほどの練習期間に、同年齢で共にオーディション番組出身だったイェリンと親しくなり、即興で一緒に歌を歌ってみたところ、お互いに相性の良さを感じます。
ジミンがソロではなく、イェリンとのデュオでデビューしたいと会社に提案すると、これが受け入れられ、2012年10月5日に「15&(フィフティーンアンド)」としてデジタルシングル「I Dream」でデビューを果たすのです。

その後、デジタルシングルを4曲、アルバムを1枚リリースしますが、2015年を最後にデュオとしての活動を停止。

同年にジミンはソロ活動を開始しますが、4年間で2枚のシングルと2枚のEPリリースに留まり、2019年8月末で事務所との契約を終えて退所しました。

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一方のイェリンは、2015年11月30日に収録曲の全て(6曲)を自ら作詞・作曲したEP「FRANK」(タイトル曲「우주를 건너(Across the universe)」でソロデビューします。

その半年後となる2016年6月20日にはデジタルシングル「Bye bye my blue」(タイトル曲「Bye bye my blue」)をリリース。

同年12月7日、デジタルシングル「Love you on Christmas」(タイトル曲「Love you on Christmas」)をリリースし、それと前後してSan E(「Me You」)やDEAN(「넘어와(come over)」)、The Quiett(「Light」)というヒップホップ・R&Bミュージシャンの作品にフィーチャリング参加します。

しかしその後はOST作品への参加はあったものの、ペク・イェリンとしての音源リリースはジミン同様しばらくの間ありませんでした。

「Love you on Christmas」から2年3ヶ月後となる2019年3月18日に、ようやくEP「Our love is great」(タイトル曲「그건 아마 우리의 잘못은 아닐 거야(Maybe It’s Not Our Fault)」をリリースしますが、最終的にはこの作品がJYP Entertainmentでの最後の作品となり、約半年後の9月14日付で事務所との契約を終了、退所という運びとなりました。

イェリンは入所してから12年、デビューしてからは7年という期間をJYPで過ごした訳ですが、作品としては、奇しくもジミンと同じく2枚のシングルと2枚のEPというリリースに留まりました。
特にイェリンに関しては、2017年の公演で歌った未発表曲「Square」の映像がオンラインで話題となり、多くのファンから人気を集めていたものの発表には至らず。
その後、2年以上もファンから正式な音源発表の要望が続いていた中、2019年の5月には自身のInstagram(現在は削除)で「リリースしたいからといって、リリース出来る訳ではない事を知ってほしい/長年の友人や初めて会う方も、挨拶より『Square』がいつリリースされるのかということをよく聞くようになったけれど、様々な音楽をやりたい私にとっては、辛く感じられることもある」という心境を告白しています。

JYPという大手事務所に在籍していながらも、正式な音源はなかなか発表出来ず、公演やsoundcloudでの音源発表という機会しかなかったイェリンは、その苦悩を吐露している事からも「飼い殺し状態にあった」と言わざるをえないでしょう。

しかしJYPの退所から2ヶ月後となる11月6日にはインディーズレーベル「BLUEVINYL(ブルービニール)」を設立し、約2週間後の11月22日には、待望のカムバック日も発表されました。

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2019.12.10 Release. ⠀ #백예린 #yerinbaek

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そして12月10日、ついにリリースされた独立後初のフルアルバム「Every letter I sent you.」は、発売から3時間で各種リアルタイムチャートで1位を達成します。そのタイトル曲は「Square(2017)」。

この「Square(2017)」は、公開から1週間経った現在(12月17日)でも各チャートの1位をキープしています。

2019年12月17日 20:00 MelOnリアルタイムチャート

2019年12月17日 20:00 ginieリアルタイムチャート

2019年12月17日 20:00 bugs!リアルタイムチャート

チャートのすぐ下にはIU嬢がいる訳ですが、イェリンのリリース前に1位だったのはベテラン女性デュオ・DAVICHI(다비치)でした。とはいえ、現在DAVICHIは順位を下げているので、依然として3位以内をキープしているIU嬢を抑えてのトップという見方も出来るでしょう。

更に、今回のアルバムには「Square(2017)」をはじめとした3つのタイトル曲を含む計18曲が収録されていますが、このうち収録曲「Datoom」を除く17曲が英語の歌詞で作られており(「Point」はフィーチャリングしたLoopyのラップパートのみが韓国語歌詞)、韓国人アーティストが英語歌詞で1位を記録したのは初という記録まで残しました。

タイトル曲の一つである「0310」、収録曲の「Bunny」「Not a girl」「Newsong2」は、「Square」同様に彼女の未発表曲でしたが、今回晴れて正式音源として収録された事で、ようやくファンは胸を撫で下ろしただろうと思います。

タイトルである「Every letter I sent you.」は、直訳すれば「私が送った全ての手紙」となります。ソロデビュー以降、多くの苦悩を抱えながら、新たなスタートを切るまでの4年という年月を歌詞とメロディに載せて昇華された楽曲陣、そして長らくファンに望まれながらも陽の目を見る事の出来なかった「Square」という宝石は、見事にチャート1位という成果によって報われる事となったのです。

IU嬢は、JYPのオーディションに合格出来なかっただけでなく、家庭の貧困やオーディションを偽った詐欺にあうなど、様々な苦難を経験し、イェリンもまた若くして天才と言われ、自身で作詞・作曲の出来る才能を持ちながらも、アーティストとしては長い不遇の期間を過ごしました。

そんな2人がJYPとは別の道へ進んだ事でもたらした結果は、奇妙な縁でもあると言えるのではないでしょうか。

IU嬢をはじめとし、SNSD・テヨンやAKMU、赤頬思春期といった音源強者たち。今回の再スタートで、ペク・イェリンもそこに割って入るポテンシャルがある事を世間に知らしめたはずです。

彼女が競合ひしめくKポップシーンをますます活気づけてくれるであろう事は間違いありません。

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