HYUKOH
(혁오/ヒョゴ)
韓国が誇る、世界的なインディー・ロックバンドHYUKOHが2020年からバンド史上最大規模となる世界42箇所を巡るワールドツアー「HYUKOH 2020 WORLD TOUR」を開始しました。
ソウルに続き、日本では2/18(火)福岡から4都市、5公演が開催され、私はJAPAN TOUR最終日となる2/24日(月・祝)の新木場STUDIO COASTに行ってまいりました。
ちなみにコロナウィルス真っ只中の、このご時世にオールスタンディングという密着空間にもかかわらず中止・延期はなく、マスク着用や消毒の義務もない、世間に逆らいまくったパンクな興行です。私は元々某アイドルのコンサートのチケットをとっていたんですが、コロナウィルスの影響で延期になったので急遽こちらに参戦しました。
HYUKOHは、このブログに2度ほど登場しており、昨年来日した際のライブレポートもありますが、今回が初の生HYUKOHの私ではない人が書いています。なので文体や感想に齟齬がある点はご勘弁ください。
HYUKOHは、オ・ヒョク(Vo/G)/イム・ヒョンジェ(G)/イム・ドンゴン(B)/イ・インウ(Dr)の1993 年生まれの同級生で結成された4ピースバンドですが、今回のツアーはドラムのインウが“心理的不安症状の治療”に専念するため日本を含む全行程に参加しないことが、予め発表されています。
サポートメンバーとして、HYOKOHの“良い友達”※詳細はセットリスト下部にあるアンコールの動画をご覧ください。ことDJのJNKYRD(ジャンクヤード)くんが参加しています。
今回のツアーに先駆け1年8ヶ月ぶりのミニアルバム『through love』をリリースしており、今回はそのアルバムを中心としたセットリストでした。
※『through love』収録曲には「*」がついています。また各楽曲はオフィシャル・オーディオまたはMVへのリンクです。
01.Intro
03.Hey Sun*
04.Help*
06.Flat Dog*
07.Wanli万里
08.Citizen Kane
10.Simon
12.New Born*
14.Ohio
15.LOVE YA!
=ENCORE=
19.Gondry
初めての生HYUKOHが、3人編成&DJ付きということで、かなり変則的な出会いを果たしてしまったわけですが、感想としては良かったでも、悪かったでもなく“やばかった”です。
普段はアイドルを追いかけるオタク稼業に堕ちている身としては、随分と久しぶりに味わう感覚でした。
白い垂れ幕に照らされるコントラストの強い色彩と光の連続、残響の強いギター、野太く身体を震わせるベース、張り裂けるようなボーカル、リバーブがかったバックトラックがそれら全てを包み込み、シームレスに展開していきます。ボーカルのオヒョクが曲の合間たまに呟く「アリガトウゴザイマス」という素朴な挨拶まで含め、全てが亜空間に漂うような異次元の体験でした。
※立ち位置が左に寄っているのはインウの位置を意図的に開けているものと思われます。
端的に言えばドラッグムービーを見ているような感覚で、目も口も半開きで音に乗るという事も忘れて、終始ステージをただボーッと眺めていました。撮影OKのアンコールでスマホを取り出したときに、時間感覚が奪われていることに気づいたぐらいです。
よくバンドの魅力を「ライブで本領を発揮する」と形容することがありますが、HYOKOHの場合は次元が違います。生で見るのとモニターを介すのでは違うバンドと言っても過言ではありません。アンコールで徐々に正気を取り戻せたのも、アングルをキープする為、スマホの画面を見ていたからとも言えます。
私は以前は結構な映画フリークで、Kポップに出会うまではかなりの数の映画を観ていました。HYUKOHのライブが終わった後の感覚は、まれに映画館で出会う、とてつもない作品を観てしまった時と非常に近しいものでした。今回はインウがいないと言うことでHYUKOH本来の姿とは、かなり違うものかもしれませんが、生で見る、聴くという事の意義を改めて感られるものでした。
HYUKOHのライブは“生涯記憶に残る”そう言えるものでした。