「天は二物を与えず」
説明するまでもないと思いますが、このことわざは
天の神様は一人の人間だけに、いくつもの美点を与えることはしないから、よいところばかり揃った完璧な人間などいない。 異なる二つの天賦の才を持つことは有り得ず、人にはそれぞれに長所も短所もあるということ。 「天、二物与えず」とも。 故事ことわざ辞典より |
という意味です。「人にはそれぞれに長所も短所もある」という事には「そりゃそうだ」と納得できますが、核となる「異なる二つの天賦の才を持つことは有り得ず」に関しては、Kポップシーンに接すれば接するほど、「ウソつけ」となります。
という事で今回はこのお方。
meenoi (미노이/ミノイ) |
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パク・ミニョン(박민영) |
1997年4月9日 |
158cm |
所属レーベル:8BallTown |
Instagram / SOUNDCLOUD / YouTube |
meenoiはINPLANET MUSIC所属アーティストとして2019年7月31日にシングル「너답기기안 (너의 답장을 기다리다가 기분이 안좋아졌어)」でデビューし、その後半年間の間に「하기 싫어」「3M」「02」という3枚のシングルをリリースしています。
そんな彼女の名前が当ブログに初めて登場したのは昨年8月2日付の記事「【2020 June.&2020 July.】見逃してごめんね【R&B・ヒップホップ特集】」で、AOMG所属のラッパー・punchnello(펀치넬로/パンチネロ)がリリースしたシングル「우리」にフィーチャリングで参加していた時です。
ただ当時はINPLANET MUSICのHPに彼女のプロフィールがなく、記事内で「無所属の可能性がある」と書いていました。実はこれが絶妙なタイミングで、meenoiはその記事から2週間と経たない8月14日にラッパーのKIRIN(기린/キリン)が設立した8BallTownに加入するのです。
そしてレーベル加入と同時にシングル「sunbeam」を、同年9月11日には初のミニアルバム「DA DA!」を立て続けにリリースしており、アルバムと同名のタイトル曲にはH1GHR MUSICのラッパー・pH-1がフィーチャリングで参加しています。
今年の2月21日にはシングル「우리집 고양이 츄르를 좋아해 (WGC) feat.염따」がリリースされていますが、これはレーベル加入直前に自身のYouTubeチャンネルにアップされた「자작랩 쇼미더머니9 지원영상」(自作ラップ SHOW ME THE MONEY9 サポートビデオ)という動画がきっかけになったという珍しいケースです。
そして4月21日にリリースされたのが冒頭に貼ったdingoとのコラボシングル「DOOL」なんですが、同様のケースには元gugudanのメインボーカル・セジョンがリリースした「터널(トンネル)」などがあります。ただし、「DOOL」はdingo Musicのヒップホップチャンネル・dingo freestyle(通称「DF」)で公開されているのが面白いところです。
ちなみにmeenoiがDFに出るのは初ではなく、昨年12月から始まった「Rising Verse」初回のアーティストとして登場しています。
ここまでのディスコグラフィーを見ただけでも、歌ってギター弾いてラップまでもこなしてしまう多才さですが、更に彼女は作曲・作詞・編曲に加え、プロデュースやアートディレクティング、アルバムのアートワークなども手掛けます。もうこれだけでも十分に「天は二物以上も与える」なんですが、とはいえ、似たようなアーティストではステラ・チャンという才女もいます。
しかし彼女にはもう一つ特別な才があります。それがテコンドーです。彼女は大会での優勝経験があり、大会最優秀選手も獲得するなど、ただの経験者には収まらない経歴を持ち合わせているのです。「DOOL」の中でチラッと映るシーンは、その経験を生かしたものである事は間違いなく、彼女のインスタでは道着姿も見る事ができます。
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二物どころか何一つ特別な才能のない私からすれば、だからこそ彼女のようなアーティストに対して尊敬の念を抱き、そういった人物が次々と現れるKポップシーンに惹かれるのだと思います。
meenoiにはもう一つ羨ましいと思うところがあります。
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彼女はパッと見、いわゆる普通の女の子っぽさがありますが、そこは今やアイドルですら珍しくないタトゥーがしっかり彫られています。見える場所に入っているタトゥー、しかも一見入ってなさそうな子が入れているタトゥー。良いです。羨ましいです。
彼女のような才能はなくとも、自由にタトゥーを入れられる環境くらいは頑張ればどうにかなるでしょう。いや、手に入れてみせるぞ。何を入れるかはもう決まっているし。という事でこれからも頑張ります。