7月26日、アコースティックデュオのAKMU(アクミュ)がコラボレーションアルバム『NEXT EPISODE』をリリースし、そのタイトル曲である「낙하/落下(with IU)」のMVを公開しました。
また、7月21日には先行公開曲として「전쟁터/戦場(with イ・ソニ)」がすでに公開されています。
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YG Entertainment | |
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CHANHYUK | SUHYUN |
イ・チャンヒョク(이찬혁) | イ・スヒョン(이수현) |
1996年9月12日(25歳) | 1999年5月4日(23歳) |
京畿道 高陽市 出身 | |
168cm/B型 | 164cm |
プロデューサー メインラッパー サブボーカル |
メインボーカル |
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AKMUのラストリリースは、2020年11月16日のシングル『HAPPENING』です。チャンヒョクが除隊後の2019年9月25日にリリースされ大ヒット&ロングランを遂げた3rdアルバム『항해(SAILING)』で語られた“別れ”、『HAPPENING』はその後の感情が描かれた後続曲とも呼べるものでした。
本作『NEXT EPISODE』は、さらにその一つ前2017年7月20日にリリースされた同じく夏のシングル『SUMMER EPISODE』(タイトル曲「DINOSAUR」「MY DARLING」)の後続作ということが「ANOTHER SUMMER ANOTHER EPISODE」というフレーズとともに明かされています。
そのタイトル曲である「DINOSAUR」では、アコースティックとEDMを融合するという新境地を開拓し、大ヒットを飛ばしました。それまでも人気と評価を受けていた悪童ミュージシャン(旧名:『항해(SAILING)』リリース時に正式表記をAKMUに変更)でしたが、「DINOSAUR」そして『SUMMER EPISODE』という作品で、アーティストとしてのステージを大きく押し上げました。
異なるジャンルを融合することで可能性を広げたAKMUのコラボレーションアルバム『NEXT EPISODE』は、その名の通り全曲がコラボ曲となっており、それこそジャンルも異なる大物ミュージシャンが参加しています。
先行公開曲の「전쟁터/戦場」は超本格派の歌姫イ・ソニ、タイトル曲「낙하/落下」には韓国屈指のマルチタレントIUをはじめ、収録曲「BENCH」は「양화대교(楊花大橋)」のヒットで知られるR&BシンガーZion.T、「째깍 째깍 째깍/カチ カチ カチ」はラッパーで実業家のBeenzino、「맞짱/マッチャン」は大人気バンドJANNABIのボーカルでリーダーのチェ・ジョンフン、「Stupid love song」には数多くのコラボ曲ヒットで知られるR&BシンガーCrush、そして「EVEREST」には“天才”と称され、数多くのアーティストからコラボが望まれているサム・キムという、前代未聞級の豪華さとなりました。
ちなみにAKMUは悪童ミュージシャン時代を含めても、自分たちの名義の元にはタイトル曲はおろか収録曲でもコラボ曲をリリースしたことがなく、AKMUにとってはアルバムコンセプト自体が異例のものとなっています。
『SUMMER EPISODE』では音楽ジャンルを融合させましたが、『NEXT EPISODE』では人と人、異なるジャンルの人間同士の融合というところで後続作という位置付けになったものと思われます。
AKMUは自身の名義ではコラボ曲をリリースしていませんでしたが、これまでも他アーティストの楽曲には、主にチャンヒョクが楽曲制作等で積極的に参加していました。
アルバムリリースの合間には、3月19日にはバラードバンド부활(BooHwal)の元メンバーでベテラン歌手のイ・スンチョルのデビュー35周年記念プロジェクトの第2弾シングル『우린』で、チャンヒョクがプロデュースとコーラスで参加しました。
4月15日には、スヒョンが作詞家キム・イナとバンドLUCYとともに動物保護団体KARA(카라)とコラボした無料音源「LOVE ME LOVE YOU」をリリースしました。
5月13日には、10CMのシングル『5.2』のタイトル曲「SLEEPLESS IN SEOUL」に、再びスヒョンが参加がするなど、今回のコラボレーションアルバムに向けた準備を着々と進めてきました。当初私は、これらの曲がアルバムに収録されるのかと思っていたのですが、それは全くの別でしかもあの豪華な陣容ということで二重に驚きました。
また、タイトル曲「낙하/落下」でのコラボ相手となったIUとAKMUは特別な関係にあり、そのこともあってタイトル曲での共演となったものと思われます。
チャンヒョクが製作した『フライの夢』という未発表曲があり、2014年11月のAKMUのコンサートゲストとして披露されています。
またチャンヒョクは2021年3月25日にリリースされたIUのThe 5th Album『LILAC』収録曲「어푸 (Ah puh)」の作詞と作曲を手掛けており、スヒョンもライブで同曲をカバーしています。
そのスヒョンはプライベートでもIUと親交がありJTBCバラエティ番組『独立万歳』に出演した際には、芸能活動を続けるか迷っている時に相談し、「スヒョンと同い年の時は私も同じ悩みを抱いていた」と励まされたエピソードを明かしています。
またアルバム参加者で言えばJANNNABIとも2018年12月21日に発売されたデジタルシングル「Made In Christmas」にスヒョンが参加してからの縁があります。
なのでアルバム自体がとんでもなく豪華というのはありますが、AKMU自体がそもそも大スターであり、アルバムに参加した名だたるスターたちもAKMUという偉大なアーティストに招かれたことを光栄に思っていることは間違いないでしょう。
AKMU名義では自分達だけの世界観を重んじてきた2人には、2021年の初頭に大きな分岐点がありました。
AKMU、7年共にしたYGとの再契約を発表「引退をしない限り離れない」https://t.co/Pj3E4sPBtS
— Kstyle (@Kstyle_news) January 26, 2021
それはデビューから7年の契約を結んでいた所属事務所YGエンターテイメントと5年の再契約を果たしたということです。
AKMUは今回のアルバムリリースの前にトラックポスターを公開し、そこには先行公開曲「전쟁터/戦場」の歌詞「몇십 년 후쯤이 되어야 우리는 전설이 될까(何十年後になれば私たちは伝説になるだろうか)」という言葉を公開しました。
「전쟁터/戦場」では子供の目線から見た大人の世界が描かれており、それが“戦場”として表現されており、それはまさにAKMUが歩んだ7年の歴史を意味しています。
アルバムリリーと同時に公開されたタイトル曲「낙하/落下」の歌詞では「焦土化された場所であれ(초토화된 곳이든) / 熱く燃え盛る火の中であれ(뜨거운 불구덩이든) / 言ったじゃないか いつかそういう日に(말했잖아 언젠가 그런 날에 )/ 私は君を離れないと(나는 널 떠나지 않겠다고)」とアルバムのテーマである“超越自由(Beyond Freedom)”を表現する内容となっています。
超越自由とはチャンヒョク曰く「他人の視線、世の中が要求する基準、心の傷などに屈することなく、内面の強さを守ろうとする固い意志を語る。また、厳しい状況を乗り越えて、夢見る目的地へたどり着くことができる」という希望のメッセージで、曲の題名とは裏腹に前向きな意味が込められています。そしてそれはAKMUが歩むこれからの5年を表しています。
7年+5年=12年。“12”という数字には様々な意味がこじつけられます。
優れたプロデューサーで作曲家の兄チャンヒョク、優れたボーカリストで人を魅了するスヒョン、2人で一つのAKMU。それぞれが素晴らしいアーティストであるミュージシャンとのコラボ、それはお互いが見ていた景色を、世界を広げます。
1人では、一つのグループでは辿り着けなかった境地に“超越”する“自由”、そんな5年間をAKMUは手に入れました。
12年が経ったころ、その軌跡は伝説と呼ばれるのでしょう。