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【JABBERLOOP feat.Kebee】いつか晴れた日に【Canvas】

「やまない雨はない」

これは困難な事柄が続いた時、比喩として必ずその終わりが来るという意味で、自らを鼓舞したり他者への励ましなどに使われる常套句だ。類義語としてシェイクスピアの「マクベス」に出てくる台詞が由来とも言われている「明けない夜はない」がある。

しかし今現在、余りにも長く続くコロナ禍という災難の渦中にいる我々にとって、この言葉がどれほどの人の気持ちを繋ぎ止めてくれるだろうか。
もちろん全く無意味だとは思わないが、このイタチごっこのように繰り返される状況に疲弊してしまった心が必要とするのは、使い古されてほとんど形骸化してしまった平面的な言葉ではなく、現在進行形で同じ目線を持ち、同じ景色を見ている者の中から生まれたものであるはずだ。

2月23日(水)、新たな日韓コラボレーションによる楽曲がリリースされた。

それが韓国ヒップホップシーンの重鎮・Kebeeをフィーチャリングに迎えた日本を代表するクラブ・ジャズ・バンドJABBERLOOPによる「Canvas」だ。
これは日本国内の音楽シーンのみならず、韓国エンターテインメントニュースサイト・Kstyleにも掲載された為、目にされた方も少なくないだろう。

JABBERLOOP
(ジャバループ)
DAISUKE (Sax)/MAKOTO (Trp)/MELTEN (Key)/YUKI (Bass)
活動期間:2004年〜
所属事務所:ムスタッシュ
レーベル:
コロムビア/INFINITE RECORDS/JUNONSAISAI RECORDS
HP 

JABBERLOOPは国内外で活動するインストゥルメンタルバンドで、2004年に京都で結成後、2007年にロンドンのレーベル・Mukatsuku Recordsから12インチアナログ「UGETSU」をリリース。このアルバムは多大な影響力を持ったディスクジョッキーにしてレコードレーベルオーナーであるジャイルス・ピーターソンがイギリスのBBCラジオ・WORLDWIDEでプレイした事から国際的にメディアの注目を集める。
同年コロムビアから1stアルバム「and infinite jazz…」でメジャーデビューを果たし、2009年末にはアメリカのDaruma Labelから「REVENGE OF THE SPACE MONSTER」をリリースしている。
以降も2010年に台湾のラッパー・SOFT LIPAと共作アルバム「経典!」をリリースし、その収録曲「dental driller」は人気サッカーゲーム「ウイニングイレブン2011」に使用されただけでなく、アルバムは台湾政府主宰で台湾版グラミー賞とも言われている台湾最大の音楽賞「第22届金曲奨」にて2011年の年間ベストアルバムにノミネートされ、SOFT LIPAと共にブルーノート北京での2days公演を成功させている。
代表曲の一つは2009年にリリースされた2ndアルバム「CHECK THIS OUT!!」収録曲で、iTunesジャズチャートの1位を長期に渡って獲得した「シロクマ」。なお同作はiTunes StoreのRe:WIND(年間最優秀アルバム)の国内ジャズ部門も獲得している。

一方のKebeeは韓国ヒップホップシーンを語る上で欠かせない人物の一人である。

Kebee
(키비/キビ)
ぺ・イサク(배이삭)
1983年5月29日
大韓民国 🇰🇷 全羅北道全州市
所属レーベル:
BRANDNEW MUSIC
HYPLE ENTERTAINMENT
PAPERMAKER
所属グループ:Eluphant(이루펀트)
所属クルー:不汗黨(불한당)、Speaking Trumpet
Instagram / facebook 

彼は韓国ヒップホップ史において最も重要なレーベルの一つとして評価されるSOUL COMPANYの元代表であり、Minosとのヒップホップデュオ・Eluphantのメンバーである。
2000年に音楽創作活動を開始。2003年にレーベル・신의의지(シネウィジ/神の意志)からリリースされたコンピレーションアルバム「People & Places vol.1」に参加し、バーバル・ジントをフィーチャリングに迎えた「소년을 위로해줘」が10代の少年たちが共感する歌詞で話題を集め、大衆に知られる事となる。
翌年にはSOUL COMPANYを設立し、レーベル解体の前年となる2010年まで代表を務めた。
2005年に期間限定プロジェクトとして始まったEluphantは2011年に正式なデュオとして活動を開始し、PaloaltoやThe Quiett、ステラ・チャン、元SISTARのソユ、ヤン・ダイルといった数々のアーティストとも共演し、Kebeeの書く詩的な歌詞も含めEluphantは韓国独自のヒップホップジャンル・感性ヒップホップの代名詞的存在と言われている。
Kebee個人としては第2.5世代アイドルの代表格の一つに数えられるボーイズグループ・TEEN TOPのデビュー前にラップ講師を務めており、近年は「TWICE/미쳤나봐」、IZ*ONEの「아름다운 색」や「해바라기」「So Curious」といった楽曲の作詞にも参加し、JO1の「Get Inside Me」も手掛けている。
2015年からはBRANDNEW MUSICの所属となった他、2018年には作曲家TENZO(텐조)と共にHYPLE ENTERTAINMENTを設立して代表に就任し、同時にPAPERMAKERというプロデューシングチームでも活動中だ。

そんな国内外で活躍するクラブ・ジャズ・バンドの雄であるJABBERLOOPと、韓国ヒップホップシーンにおける最重要人物の一人Kebeeによる「Canvas」は、Kebeeのラップを“リズムを持った一つの楽器”として捉え、メンバー曰く「今まで作ったどれとも違う独特のGrooveが出来た」と評するほど新たな試みとなった意欲的な作品だ。
“五人が奏でるCanvas”は、今まさに雪の下からゆっくりと、しかし確実に暖かな光のある方へ伸び上がらんとする新芽のような力強さを感じる。その歌詞には「いつか,そのうち、ある晴れた日」を意味する「One Fine Day」という言葉が繰り返される。
そう、これはまさしく我々が現在置かれている先行きの見えない状況の中にいるからこそ聴くべき音楽なのだ。

この楽曲が日本と韓国という二つの国のアーティストによるコラボレーションである事も、その意味合いをより強くする。
それはたとえ海で隔てられた別々の場所に住む人々であっても、今直面している困難は地続きで、誰もが同じように生と死がこれまで以上に隣り合わせとなった時間の中にいるという事を教えてくれるからだ。

そしてこのCanvasはただ眺めるだけのものではない。
Canvasには余白が残されている。
歌詞にはこんなフレーズが登場する。

저마다의 꽃
それぞれの花

저마다의 불꽃
それぞれの炎

저마다의 음표
それぞれの音符

저마다의 oh yeah
それぞれの oh yeah

저마다의 good day
それぞれの good day

저마다의 flavor
それぞれの flavor

저마다의 저마다의 canvas
それぞれ、それぞれの canvas

JABBERLOOPとKebeeによるCanvasは、聴いた人々によって完成する。
私たち自らが手に筆を持ち、それぞれが抱く明日への想いをその余白に描いた時、来るべき日へ向かう希望となって、あなたの“One Fine Day”へと導いてくれるだろう。
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