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【NewJeans】不変と可変の遺伝子配列【Attention / Hype boy / Cookie】

あぁ一体どれほど多くのKポップファンがこの日を待ち望んでいた事でしょう。

という事で8月1日(月)、HYBE傘下のADORから5人組ヨジャグル・NewJeans(뉴진스 / ニュージーンズ)が1stミニアルバム「New Jeans」でデビューを果たしました!

NewJeans
(뉴진스 / ニュージーンズ)

ハニ / ミンジ / ヘリン / ダニエル / ヘイン
所属事務所:ADOR
レーベル:HYBE LABELS
ディストリビューター:YG PLUS
HP / Instagram / Twitter / YouTube
HP(JP) / Twitter(JP)
ミンジ
(민지 / MINJI)
キム・ミンジ (김민지 / 金敏智 / Kim Minji)
2004年5月7日
大韓民国 🇰🇷 江原道寧越郡
リーダー、ボーカル、ダンサー
MBTI:ESTJ
ハニ
(하니 / HANNI)
パム・ゴク・ハン (Phạm Ngọc Hân / 范玉欣)
2004年10月6日
ベトナム 🇻🇳 
ボーカル、ダンサー
ダニエル
(다니엘 / DANIELLE)
ダニエル・マーシュ (Danielle Marshi)
モ・ジヘ (모지혜 / 牟智慧 / Mo Jihye)
2005年4月11日
大韓民国 🇰🇷 京畿道坡州市文山邑
国籍 / 血液型:大韓民国・オーストラリア / AB型
ボーカル、ダンサー
ヘリン
(해린 / HAERIN)
カン・ヘリン (강해린 / 姜海粼 / Kang Haerin)
2006年5月15日
大韓民国 🇰🇷 慶尚北道金泉市
ボーカル、ダンサー
ヘイン
(혜인 / HYEIN)
イ・ヘイン (이혜인 / 李惠仁 / Lee Hyein)
2008年4月21日
大韓民国 🇰🇷 仁川広域市西区連喜洞
ボーカル、ダンサー

通常、そのデビューが待ち望まれるグループの背景には大型事務所所属だったりサバイバル番組出身の人気メンバーを擁している事がほとんどです。
NewJeansもADORという、あのHYBE傘下に新たに設立された事務所からのデビューなので否が応でも注目されるグループではありますが、仮にこれがHYBE傘下の事務所でなくとも、その注目度は変わらなかったように思います。

NewJeansに大きな関心が寄せられていた最大の要因はADORのCEOでもあり、彼女たちを手掛けるこの人の存在にある事は間違いありません。

ミン・ヒジン
(민희진 / Min Heejin)
1979年12月16日
大韓民国 🇰🇷
ビジュアル&アートディレクター、グラフィックデザイナー
SM Entertainment : Creative Director (2002年~2019年)
HYBE : CBO (2019年~2021年)
現ADOR : CEO
Instagram

端的にミン・ヒジンという人物を説明するならば今やKポップアイドルを語る上で欠かせない「コンセプト」というものを提示した人物です。
彼女は2002年にSM Entertainmentに入社し、2007年、少女時代のデビューシングル「다시 만난 세계 (Into The New World)」のコンセプト、アルバムアート、スタイリング、デザイン全てを手掛け、以降もクリエイティブディレクターとしてSHINee、EXO、Red Velvetなど所属アーティストの衣装やスタイリング、アルバムカバー、イメージ、ロゴ、デザイン、映像など“目に見えるすべて”を担当してきました。おおよそ2010年〜2018年におけるSMの作品は=ミン・ヒジンの手によるものだと言っても大袈裟ではなく、市場の流れを変えた先駆者と評されシーン全体にまで多大なる影響を与えてきたのが彼女であるという事に異論を唱える人はいないでしょう。
そのミン・ヒジンは2019年にSM Entertainmentを退所後、HYBEにCBO(Chief Branding Officer / 最高ブランディング責任者)として迎えられ、空間デザインと新社屋設計にまで参加しています。
その後はガールズグループローンチのためSOURCE MUSICと合同で2019年から始まったPLUS GLOBAL AUDITIONを通じてメンバーが選抜され2021年にデビューする予定でしたが、新型コロナウイルスの影響によりプロジェクト自体が一度白紙となります。

その影響に伴って彼女をCEOに据えたADOR設立が予定より早まり、PLUS GLOBAL AUDITIONで選ばれたメンバーたちがADORを通じてデビューする事になったのがNewJeansです。

そのNewJeansはまず7月22日に記事冒頭に貼ったトリプルタイトル曲の1つである「Attention」のオフォシャルMVとそのPerformance ver.を公開します。

Attention Performance ver.

私がこの「Attention」を観て驚いたのはその“抜け感”です。音楽、コレオグラフィー、衣装のスタイリング、メイク、そしてMVに至るまで全てに程よく緩さがあり、これだけでも既存のグループとは大きな違いを感じました。そこにはここ数年メインストリームとなっている所謂ガルクラとのコントラストがある訳ですが、とはいえもちろんガルクラ以外のコンセプトを打ち出してきているグループも続々といる中、何が差異となっているのか。
MVの公開は22日になった24時でしたが、夜が明けたその日一日、私はNewJenasだけが持つ“何か”が判然としないまま延々と頭を悩ませる事となったのです。しかしその“何か”はオフィシャルInstagramに掲載されたAlbum Reviewの中に全てありました。特にポイントとなる部分を赤字にしたので、私と同じように“何か”を掴みきれなかった方はじっくりお読み頂く事をお勧めします。

メンバー構成はもちろん、グループ名すら公開されていなかった時期から「ミン・ヒジン ガールズグループ」と呼ばれ、今年最も大きな期待を集めたADOR(All Doors One Room)の一番目の新人、NewJeansがデビューした。

1st EP 『New Jeans』は、NewJeansが追求する「良い音楽」について問いかける。

定型化されたK-POPの耳慣れた形式に従わず、ポップスに基づきながらも特定のスタイルだけに固執しなかった。どこでも気軽に楽しめる洗練されたイージーリスニング・ポップスを追求すると同時に、誇張のない自然なサウンド・エンジニアリングでNewJeansのメンバー本来の声を活かすプロデューシングを行った。 アルバムに収録された4曲は、全員10代で構成されたNewJeansのメンバーの純粋かつ自然な魅力と10代固有のエネルギーをそのまま表している。 一聴すると、NewJeansの同世代の恋について語っているようだが、各収録曲は多様な音楽的試みを土台にそれぞれ異なる物語を描いており、このような物語がまとまり自ずと10代のライフスタイルを包括する。また、個人のストーリーの向こうの「私たち」という物語を描く。型破りに3曲のタイトル曲を打ち出したのは、NewJeansから伝えたいメッセージをしっかり届けるための布石だ。

NewJeansは、何よりも率直さと自然さを追求する。 常に従来とは違う方法でK-POP市場のトレンドをリードし、革新的なアーティスト・ブランドを作ってきたミン・ヒジン総括プロデューサーは、「ポピュラー音楽は、日常に至近距離で寄り添う文化なので、まるで毎日着る服のようなものだ」と話す。

トレンドの真ん中で、あるいはトレンドとは無関係に、時代を問わず老若男女から愛されてきた「Jean」のように。 今の時代の新しいアイコンとして、毎日つい手に取ってしまう、いつ穿いても飽きない『New Jeans』になりますように! これこそNewJeansが目指す価値であり、New Genes – NewJeansの始まりだ。

Kポップアイドルだけではなく、エンタメというものはビジネスです。もちろん消費一辺倒ではないカルチャーとして作り手側がしっかりとした矜持を持ち、人々の人生における豊かさの一側面を担おうと努力している企業もあるでしょう。
とはいえ流行り廃りの激しいKポップシーンにおいて、“売れるもの”“売れるやり方”を追求するのもまた仕方ない事だと思います。しかし彼女はそういったある種公式的に当てはめられてきたやり方を極力排除し、“良い音楽とは何か”“長く愛されるグループとはどういったものか”を考えた末に出た答えが「Attention」に表れていたように思うのです。
そこにはAlbum Reviewの最後に「いつ穿いても飽きない『New Jeans』になりますように」と書かれているように、流行りによって左右されない不変の価値が備わってます。

しかしまた一方で、“グループの見せ方”という部分においてはミン・ヒジンが培ってきた経験を元に、他のグループとは全く異なる新しさもあります。
「Attention」公開の翌日である23日には「Hype Boy」をIntro +メンバーを1:1:1:2に分けた4ver.のフルサイズで公開し、25日には「Hurt」を、そして1stミニアルバム「New Jeans」の音源公開となった1日には「Cookie」と、8月8日のフィジカル発売日を前に収録曲全てのMVまで披露しているのです。

Hype Boy
Intro
ミンジ ver. ダニエル&ヘリン ver.
ヘイン ver. ハニ ver.
Hurt
Cookie

更には2000年代初頭の携帯電話をリファレンス元としたHPのデザインや、Weverseとは別に作られたスマートフォン用アプリ・Phoningのリリースや、3形態あるフィジカルの内一つがバッグになっているなど、見事なまでの革新性を打ち出しています。

※スマートフォン、PCでのHPトップ画面

音楽的には2000年代前後のR&Bミュージックを軸としながら、今の10代を自然に、そしてリアルに表現したNewJeansというグループ全体のディレクション、操作性も含めデジタルとアナログを組み合わせたHPやアプリの展開は、すでにデジタル環境が生活の中に組み込まれたメインターゲットであるMZ世代にとって全てが“斬新な新しさ”として映ったはずで、それはフィジカルの予約枚数がガールズグループデビューアルバムとして過去最高となる44万枚突破、チャートでは音源公開初日にチャート最大手であるMelOnのTOP100でいきなり20位に入るなど、しっかり数字としても結果を残しています。

NewJeansのコンセプトについてミン・ヒジンはこう答えています。

彼女たちが披露する“音楽”が、

そのままこのチームが追求するコンセプトでありカラーだ

ミン・ヒジンというKポップシーンにおける稀代のディレクターが手掛けたNewJeansは、Album Reviewにも記されているグループ名に込められたもう一つの意味「New Genes (新しい遺伝子)」を体現するような不変と可変を共存させ、その最も重要な根幹となる“音楽”によってKポップシーンにまた新たな“アイドルの在り方”を見せたのです。

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